第22回 日本人はなぜ大豆を手放さなかったのか

時代が移ろう中で、なぜ豆は残り続けたのか。

変わるものと、変わらぬもの

日本の食卓は、時代ごとに姿を変えてきた。外から新しい食材が入り、調理法も広がっていった。それでも、味噌や醤油、豆腐といった大豆由来の食品は消えなかった。主役の座を競ったわけでもなく、声高に主張したわけでもない。ただ、毎日の食事のどこかに静かに置かれ続けた。変化の中で残るものは、目立つものとは限らない。

暮らしに合うということ

大豆は、特別な日にだけ使われる食材ではなかった。仕込みや保存の手間はあるが、それが家の時間と結びついていた。畑で育ち、台所で姿を変え、食卓に並ぶ。その流れが無理なく続けられたことが、手放されなかった理由かもしれない。大豆は、すぐれた食べ物だったから残ったのではなく、暮らしに合っていたから残り続けたのだろう。

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