時代が変わっても、豆はなぜ食卓に残ったのか。
消えなかった豆
大豆は、世界の流通の中で役割を変え、時には人の食卓から距離を置くこともあった。それでも、完全に姿を消すことはなかった。東アジアでは発酵食品として、別の地域では加工品として、かたちは違っても食べられ続けた。主役になることもあれば、脇役にまわることもある。それでも豆は、いつの時代にもどこかにあった。
暮らしに合うということ
すぐれた作物だから残った、という説明もできるかもしれない。だが、それだけでは足りないのだろう。大豆は、育てやすく、保存でき、姿を変えられる作物だった。そして何より、人の暮らしの流れに無理なく組み込まれてきた。豪奢ではなく、静かで、しなやかに。大豆は時代に抗うのではなく、寄り添うことで残り続けたのかもしれない。