第10回 古代日本の食卓における大豆

古代の人びとは、どのように大豆と向き合っていたのか。

記録のなかの豆

『古事記』や『日本書紀』に大豆の名が明確に記されることは多くないが、律令期の文書や木簡には豆の存在が見られるとされている。租税や供物の一部として記録に残ることから、すでに一定の栽培が行われていた可能性がある。主食の中心は米であったとしても、豆は脇に置かれる存在として、日々の食に組み込まれていたのだろう。

姿を変えて

古代日本での大豆の食べ方は、煮豆やすりつぶした形などが考えられている。現在のように多様な加工食品が整っていたわけではないが、火を通し、塩を加え、保存しながら食べられていたと推測される。食卓の主役ではなくとも、欠かされることもなかった。目立たぬまま、しかし確かに、古代の暮らしの一角を支えていたのである。

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