第13回 醤油以前、日本人はどう味をつけていたのか

黒い液体が広まる前、人びとは何で味を整えていたのか。

塩と素材

現在のような醤油が広く普及する以前、味の基本は塩にあったと考えられている。海に囲まれた土地では塩が得やすく、保存にも調味にも欠かせない存在だった。魚や野菜は、素材そのものの風味を生かしながら、塩で整えられていたのだろう。強い調味料がない時代、味は重ねるものではなく、引き出すものだったのかもしれない。

醤(ひしお)の名残

古代には「醤(ひしお)」と呼ばれる発酵調味料が存在していたとされる。穀物や魚、豆などを塩とともに熟成させたもので、現在の醤油や味噌の祖先とも考えられている。ただし、その姿は地域や時代によって異なり、はっきりとは分からない。大豆もまた、その材料の一部だった可能性がある。醤油が一般化する以前、日本人は発酵と塩を手がかりに、味の奥行きを探っていたのだろう。

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