第15回 武士と大豆

戦の時代、豆はどのように携えられていたのか。

兵糧として

戦が続いた時代、食料は命綱だった。米が中心であったことは確かだが、持ち運びや保存の面で大豆も重宝されたと考えられている。乾燥させれば長く保ち、煮れば腹を満たす。加工すれば味も変わる。陣中での食事は質素だっただろうが、豆はその一角を担っていた可能性がある。目立たぬ作物でありながら、戦の背後を支える存在でもあったのかもしれない。

日常への回帰

戦が終われば、武士もまた日常へと戻る。城下町や農村での暮らしの中で、大豆は再び畑に植えられ、味噌や豆腐となって食卓にのぼった。武士という特別な身分であっても、食は特別なものばかりではなかった。大豆は、戦の緊張と平時の穏やかさのあいだを静かに行き来していた。武勇の物語の裏側で、豆は変わらず育てられ、食べられていたのである。

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