第20回 飢饉と大豆

食が途絶えかけたとき、豆はどんな役割を果たしたのか。

米が尽きるとき

江戸時代には、たびたび飢饉が起こったと記録されている。冷害や長雨、虫害によって米の収穫が減ると、食卓はたちまち揺らいだ。米が中心であった社会では、その不足は深刻だっただろう。そうしたとき、麦や雑穀、そして豆が代わりに食べられたと考えられている。大豆は主役ではないが、米が尽きたときの支えとなった可能性がある。

持ちこたえる作物

大豆は比較的保存がきき、乾燥させれば長く持つ。凶作の年にもすべてが失われるわけではなかったとされる。もちろん、豆だけで飢えを乗り越えられたわけではない。飢饉は多くの命を奪った。それでも、畑に残る作物として大豆が選ばれ続けたことは、人びとがわずかな可能性を手放さなかった証でもある。豆は、豊かさの象徴ではなく、持ちこたえるための存在だったのかもしれない。

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